愛しいキミへ
「ここでは、素の自分でいていいぞ?」
急に言われた慎からの言葉。
「何言ってるの?僕はこれが素だけど…」
「学校でもキャラ作って、寮でも素を出せなかったらキツいだろ?俺、誰かにチクったりしないから。」
こいつ……
「何で分かったんだよ!」
「おっ!!素がでたな。」
「俺の質問、聞いてた?」
「あぁ、何で分かったかー。だろ??何でだろ…。勘??」
「勘って…。絶対誰にも言うなよ!!」
「分かってる、分かってる。落ち着けって…」
なんだよ、コイツ。
俺の本当の姿を見破るなんて……
「でも、椎には言っても良いんじゃね?」
「嫌だよっ!ぜってえ~言うな!!」
「椎はそんなに、心の狭いヤツじゃねえぞ??まじで。」
「んなワケねえじゃん。皆、王子キャラの俺に近付いてくんだよ。で、本性知ったら騙された。最悪…そればっか。」
「お前、何かあったんだろ…」
「関係ねえだろっ!!とにかく黙っとけ!!」
俺が怒鳴った瞬間、後ろから声が聞こえた。
「それが素の隼斗??」
女の声。
椎凪の声に間違いはなかった。
「椎凪…」
椎凪にだけは、知られたくなかった。
嫌われたくなかった。
俺の王子キャラ……。
ずっと隠してこようと、思ってたのに、、
「こ、これは…その…」
「騙してたんだ。」
「違っ、」