愛しいキミへ
「さっき、隼人に後ろから抱き締められたときは平気だったの。ただ、ドキドキしてて…。
でも、今は違う。
全て、吐き出した。今まで心の奥底で、鍵をかけてしまいこんでたものを……。
私の中で張りつめてた一本の糸が、切れてしまった。
もう、嫌…ッッ。
私、ダメだぁ………
二度と、あんな目で見られたくなかったのに……」
「あ、あんな目っ!?」
俺の言葉で我に返ったように、ハッと俺の目を見て立ち去った。
どういう事だ…、、
あんな目って、何があったんだ?
椎凪の過去に、また何かが潜んでいることを知った。
「椎凪、俺には何もできないのか?」
誰もいない倉庫の中で、一人呟いていた。