愛しいキミへ
マットから降ろされて、急に抱き締められた。
「渚…」
「裏切らない、絶対…裏切らない。だから、やり直さないか??」
「渚…渚…渚…」
「椎、俺の物になって…」
渚は、私をさっきよりも強い力で抱き締めた。
その時、ガタンッと音がした。
「えっ!?」
私は驚いて、渚から離れた。
そこにいたのは、隼斗だった。
「は、やと??」
「悪いっ、様子を見にきたら…。どうぞ続けてください。」
隼斗はそれだけ言って、立ち去った。
「隼斗っ!!」
「椎…ほっとけよ。見られて困る事じゃないだろ?」
「困るよ。変な噂流されるかも、しれないじゃん。」
「おい…それ、どういう意味だよ。」
「そのまんまの意味だよ。私にはもう…渚は必要ない。気持ちは嬉しいけど、一度裏切られた人は信じられない…。」