愛しいキミへ
体育館の中に入って、まず見えたのは数人の男。
ステージの上に、立っている。
あいつら、何してやがる…?
「おっ、誰か来たじゃーん。」
「もしかして、この子助けに来たんじゃね?」
うざったい声が聞こえる。
この子って…、椎凪の事か?
まさか、あの奥に椎凪が…
「悪い、お前ら。コイツ入れたら、面白くなりそうだなって思ってさぁ。」
後ろから聞こえる、ムカつく声。
………天宮。
「へー、やっぱりこの子なんだ。超かわいーもんね?」
「うっせぇ…、椎凪はそこにいんのか?」
思いっきり睨み付けて、ステージの上にいるヤツに言った。
「椎凪…?ああ、この子の名前かぁ。いるよ?縄で縛られちゃってるけどね♪」
ステージの一番端にいる男が、ニヤニヤ笑みを浮かべながら言う。
アイツら、まぢ喧嘩売ってんのか?
縛られちゃってるけどね♪
だと!?
怒りがこみ上げてくる。