愛しいキミへ
「おい!お前よ。何か忘れてね?」
「あ゙?」
残りの奴が俺に向かって言う。
いつの間にかステージに上がっていた。
忘れてるって、何のことだよ…
「お前さあ。暴れすぎなんだよなぁ…。」
「てめぇらが弱いんだろ?」
「ふっ、お前はこの子助けにきたんじゃねえの?」
男が上着みたいのをかけられた椎凪を、ステージの真ん中まで運んできた。
椎凪はそいつの腕の中。
お姫様だっこ、されてる。
「椎凪に触れるなっ!」
「おー、恐っ。椎凪ちゃんが、どうなってもいいの?」
ニッと笑みを浮かべた奴は、椎凪にキスをした。
「んっ!嫌…はぁ、んぅ~あ…」
「ふぅ…、俺さあ。この声好きなんだよね。そそられるって言うの?」
お姫様だっこをされたまま、キスをされた椎凪はいきなり暴れ出した。
「降ろしてよ!触らないで!!」
「おーと、椎凪ちゃん。動くと見えちゃうよ?」
「ん、……」
スッと動きを止めた椎凪。
俺の怒りがどんどん込み上げてくる。