愛しいキミへ
「何できたのって、言われても…」
顔は見えないけど、戸惑ってるみたい。
昨日は、さっさと帰っちゃったのに…
「帰ってよ…。」
「え…」
「そこに居られても、困るから。」
「困る、って…。こっちは心配してきたんだろ?」
そんな事、
言われたって……
なんか上から目線で、ムカつく…
「何よ、それ……。別に来てほしいなんて、頼んでないからっ!」
そう言い放って、自分の部屋へ戻った。
隼人の声は、その後聞こえてこなかった。
怒りもせず、
弁解もせず…
何も言わなかった。
隼人、怒ったかな…
ヒドイ事、言ったもんね。
怒って当然かもしれない…
いろいろと考えていたら、玄関に行ったときの事を思い出した。
今ってもしかして…
部屋を飛び出して、リビングへ…
「やっぱり…」
お昼になっていた。
部屋には窓がないから、全く気づかなかった。
昨日の夜から、ずっと部屋に隠りっぱなしだったから。
さっき玄関へ行ったときだって、隼人の事で頭がいっぱいで周りなんて気にしてなかった。