愛しいキミへ
ドンドンドンッ!!
「ん、んぅ………」
ふわぁぁ~
いつの間にか寝てた。
ドンドンドンッ!
たく…、誰だよ。
うるせえなぁ~
まだ眠い俺の頭に、ガンガン響く。
ガチャッ
ドアを叩く音に苛立ちながら、鍵を開けた。
そしたら、いきなりドアが開いて…
「お前は、どうして教室に戻ってこないんだよっ!椎の所に行ったっきり…。寮に帰ってきたら、チェーンかかってて部屋には入れねえし……」
と、慎に怒鳴られた。
「あ、俺チェーンかけてた?悪い、悪い。」
頭を掻きながら言うと、慎は呆れた顔で言う。
「悪い、じゃねえよ…。お前、ババアに怒られても知らないからな?」
「ババアっ!?」
誰だよ、ババアって。
突拍子もない声、出しちゃったし…
慎は、俺を無視して部屋に入った。
玄関にいる俺は眠たい目を擦りながら、ババアについて考え込んでいた。
「あれ…、まだそこに居る。」
慎は部屋から、顔を少しだけ出して言った。
俺は、ババアについて考えてんのによ…
慎が言ったんだろ?って言いたくなった。
それに……
覚えてないのか!!
って、突っ込みたくなるぐらい、不思議そうな顔をしてる。