愛しいキミへ
「何で、手伝わなきゃいけないわけ?」
キッチンへ移動して、慎に言った。
慎は流し場で野菜を洗いながら、こっちを向いて笑みを浮かべた。
恐っ……
「何だよ、その笑みは…」
「別に、♪」
顔が笑ってる…
何を企んでるんだ?
警戒しておいた方が、良さそうだな。
「隼人、これ切って。」
と、野菜が置かれたまな板を指した慎。
野菜を切れと…
それぐらいなら、出来るけど。
「で、何な訳?」
「何が?」
「いきなり手伝え…、とか珍しいじゃん。だから、何かあるんだろ?」
「意外と鋭いじゃん!」
「意外は余計だっ…」
やっぱり企んでたんだな。
何が鋭いじゃん、だよ。
てか、何言われるんだ?
「早速だけど……。どうだった?今日は。」
今日?
何か聞かれるような事、あったっけ…
ん~、ん~
分からん…
全くもって、思い当たる節がない。