愛しいキミへ



「隼人…」


「ん?」



ホームルーム中。

いきなり慎が、話しかけてきた。



「ちょっと耳かして…」



俺は慎に言われた通り、前に体を傾けた。


すると、慎が俺の耳に何かを言った。



「えっ…」



何て言ったかって?


慎は、こう言ったんだ。



――椎と仲直りしたのか?



って……



「何でそんな事…」



椎凪が隣りにいるから、小声で話してる俺ら。



「何でって…。さっき仲良さそうに話してたから。」


「俺だって、驚いてんだよ。仲直りっていうか、昨日のあれから話してないし…。無視られるんじゃないかって、思ってた。」


「マジかよ!でも、良かったじゃん。怒ってないっぽいだろ?」


「あー、微妙。あんま目、合わせてくんない。」



さっきも、あんま目合わなかった。


怒ってない、とは言い切れない。








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