人はそれを恋と呼ぶ
◆人はそれを恋と呼ぶ

・プロローグ



俺は窓を開けて、自分の部屋から道路を見下ろした。こうするのは今日何度目だろうか。


今の時刻は夕方の6時半。

いくらなんでもそろそろ帰って来てくれなくちゃ、母ちゃんが先に帰ってきちまうだろ?


「おせぇ…ねーちゃん」


なんだって俺がこんなにヤキモキしなきゃなんねーの?


予定外の外泊をした俺の姉。俺達の母ちゃんは割と厳しい。


外泊した上に、次の日の夕方まで帰ってこねぇってどういう事だよ!


「…悠斗の奴…。やっぱアイツにはねーちゃんを任せられねぇ…」


俺の親友だったアイツは、とうとう俺のねーちゃんの彼氏に収まった。


急な外泊の尻拭いを俺に頼むなんて、なんて奴だ!!


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