人はそれを恋と呼ぶ
隣の家は共働きで忙しくて、いつも隣家の犬は寂しそうだった。
昔はあたしの7歳上の隣家の息子が面倒をみていたが、進学の為に家を出ていってからは、あまり元気がなくて。
そんな様子を知ってか知らずか、いつの間にか来るようになった少年。
彼の話を聞いてる人がここにいるなんて夢にも思ってないだろうけど。
いつの間にか彼が来るのを楽しみに待ってるなんて、あたしってまるでストーカーみたい。
彼の裏表のない性格が、眩しくて…羨ましくて。
どうしようもなく惹かれるなんて。
恥ずかしくて誰にも言えないし、知られたくないけど。
…もちろん、いくら家族だって。
「…また来てるなー?うるせぇ小僧が」
…特に、このうるさい兄には死んでも知られたくない。