人はそれを恋と呼ぶ


「貴兄ちゃん…なんで勝手に入ってくんのよ!」


「あ?ノックしたじゃねぇか。由紀が返事もしてくんねぇから…」


「だからって普通は入って来ないでしょ!貴兄ちゃんのそういう所が嫌なのよ!」


「お前…なんでそんなに俺の事嫌うわけ?俺だって傷つくんだぞ」


貴兄ちゃんは、あたしのひとつ上の中3。


「貴兄ちゃんがあたしを放っといてくれたら好きになるよ」


「由紀を放っとくなんて出来ねぇよ。お前すぐいじめられるじゃねーか」


ほら、こうやって。すぐ干渉してくるうちの兄。


貴兄ちゃんに、彼への気持ちがばれるのだけは避けたい。


< 101 / 165 >

この作品をシェア

pagetop