人はそれを恋と呼ぶ
「つまり…優太はあたしの事、好きじゃないわけ?」
俺は言葉に詰まったが…正直な気持ちを伝えた。
「俺、美穂の事好きだけど、それはなんていうか、男とか女とかそういう関係じゃなくて…」
変な汗が出てくる。
「…あたし、ずっと優太もあたしの事好きなんだと思ってたのに」
そんな事、一回も考えた事なかったんだ。
「お前の事、そういう風には見れないんだ。ごめん…」
「……」
「でも、俺はこれからも美穂と友達でいたいと思って…」
右の頬に痛みが走って、俺は美穂に平手打ちされていた。
走り去る後ろ姿を見つめながら、俺はまた友達を一人失ったんだと気付いて、その場にしゃがみ込む。
こういう場面は、マジでへこむ…。
「…わっかんねぇなー。なんで俺なんか好きになるんだよ…」