人はそれを恋と呼ぶ


絶対にこの中にいる。


あたしは角のアイスの前まで来ると、一人ずつ確かめるように口元を見る。


お願い。


お願いだから喋って!?

「…これで全員ぶん買ったか?」

「オッケー。多分な!」

「そろそろ帰るぞー?俺まとめて払うし。つーか、ちゃんと後で払えよ、お前ら」

「だからー、俺の分は悠斗が出してくれっから」

「知らねぇ。そんな約束してねぇ」

「揉めるんじゃねーよ!早くしねぇとアイス溶けるだろ!あっちにいる奴らに声かけれよー」



……嘘、なんで?


「…いない…?」


なんでこの中にいないの?

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