人はそれを恋と呼ぶ
彼はあたしが思ってた以上に、あたしの心に入りこんでいたんだ。
「そうだった…?あたしは背の高い彼の方がかっこよく見えたけどなー」
舞ったらどこに目をつけてるのかしら。でも…、舞に彼の良さがわかったりしたら困るか。
舞は綺麗だし、あたしは性格こんなだし…。同じ人を好きになるなんて絶対嫌だし…!
…やだ。あたしったら、変な事ばっか考えてない?
「ゆうた君っていうんだねぇ。あだ名でゆーちゃん、とか呼ばれてたりして」
ゆうたってどんな字かくんだろ。何年生なんだろ。どこの学校なんだろ。
あたしの頭の中をどんどん占領していく、『ゆーちゃん』。
「由紀…?あんたマジで彼に一目惚れしたんじゃないの…?」
舞の言葉を、否定できなかった。