人はそれを恋と呼ぶ

｢…なんかあった？由紀がそんな顔する事、めったにないぞ？俺にも話せない事か？｣


修兄ちゃんに優しくされると、あたしはつい何でも話してしまう。


修兄ちゃんはすぐ帰ってしまうんだし、うちの誰かに話さないように言えば、修兄ちゃんは黙っててくれるだろうと思った。


｢修兄ちゃん…あのね、あたし、好きな人がいるんだ｣


あたしはゆーちゃんの事を隠さずに伝えた。


ポチを可愛がってくれてる話した事すらない彼に、恋をしてる事。


修兄ちゃんは相槌をうちながら、あたしの話を聞いてくれた。


｢…へぇ。すげーな、ゆーちゃんて。由紀にこんな風に想われるなんて。会ってみたいよな。ポチを可愛がってくれてるんだろ？｣