人はそれを恋と呼ぶ
彼が木下って苗字なんだって事や、あたしと同い年で隣町の中学に通ってる事。
いつも大人数で集まっては一緒に過ごす幼なじみや友達の話。
家族構成や、好みの芸能人まで様々な事を上手に修兄ちゃんは聞き出してくれて…。
それは二人の頭上で息を殺して聞き耳をたてている、あたしの為にしてくれているに違いなかった。
彼の事を自分から知ろうとはしないあたしを、きっと修兄ちゃんは臆病だと思ってる。
だからあたしの為に、わざわざ突っ込んだ事まで聞いてくれてるんだ。
正直、彼の事を知れる事が嬉しかった。