人はそれを恋と呼ぶ
「由紀の為を思って、いろいろ聞いたんだけど…迷惑だったか?」
あたしは、小さく首を振った。
彼の事を知れて嬉しかった。きっと、修兄ちゃんがいなかったら、あたしは彼の事を何も知らなかったと思うから。
「あとは、お前次第だな。由紀。ホントに好きなら、頑張ってみろよ。由紀が優太君を探し出せるだけの情報はあるんだから」
あとは、あたし次第…。
この気持ちの答えを、どうやって探せばいい…?
でも…でもあたしは臆病で、人とうまく付き合えなくて、怖くて怖くて。
あたしには、彼を追いかける勇気はなかった。
「さよなら…ゆーちゃん…」
そう呟いて。
馬鹿みたいに涙が枯れるまで泣いた。