人はそれを恋と呼ぶ


えっ、熱…!?


確かに彼の顔色は赤く、友人に支えられてやっと立っているみたいだった。

こんな状態なのに、どうしてこんな雪の中を走り回ってるんだろう…?


「離せ…俺もう一回アイツん家に行ってくっから…」


「お、おい…!?無理すんなって!行き違いになるって…!優太!」



彼の声を最後に聞いたあの日、会えなければ忘れられると思った。


彼にとってあたしは何の関係もない他人で…あたしだけが彼に固執してる。


今だって、彼が何か必死で誰かを探してる理由さえ知る権利もなくて。



「由紀…!?なんであんた泣いてるの!?」


舞があたしの顔を心配そうに見てる姿が滲んだ。

< 145 / 165 >

この作品をシェア

pagetop