人はそれを恋と呼ぶ
えっ、熱…!?
確かに彼の顔色は赤く、友人に支えられてやっと立っているみたいだった。
こんな状態なのに、どうしてこんな雪の中を走り回ってるんだろう…?
「離せ…俺もう一回アイツん家に行ってくっから…」
「お、おい…!?無理すんなって!行き違いになるって…!優太!」
彼の声を最後に聞いたあの日、会えなければ忘れられると思った。
彼にとってあたしは何の関係もない他人で…あたしだけが彼に固執してる。
今だって、彼が何か必死で誰かを探してる理由さえ知る権利もなくて。
「由紀…!?なんであんた泣いてるの!?」
舞があたしの顔を心配そうに見てる姿が滲んだ。