人はそれを恋と呼ぶ
「あ、あの、亜矢さんは…?」
「今、家まで送ってったんだ。だから優太がいなかったの知ってる。出かけたらしいよ?。…まぁ、俺には好都合だったけどな」
…どうして好都合なんだろ?ってちょっと不思議だった。
「そうですか…いないんですか…」
どこ行ったんだろう…?こんな時間に…。
あたしの顔を覗き込んだ彼は、少し目尻を下げて言った。
「優太に彼女が出来るなんて信じられなかったけど、本当だったんだな。アイツはちょっと、亜矢にホラ、執着してるから…」
「…分かってます。シスコンだから。ゆーちゃんは…」
「ゆーちゃん…って、優太の事か?似合わねーなぁ」
悠斗さんはそう呟きながら小さく笑った。
「聞いてるよ。喧嘩してるんだろ?優太と」