人はそれを恋と呼ぶ


彼の予想外の言葉に驚いて悠斗さんの顔を見る。


「亜矢が言ってた。優太はすぐ彼女と喧嘩するんだって。八つ当たりされていつも大変だって」


「え…?」


…嘘。亜矢さんに八つ当たり?


「アイツ、馬鹿だから色々無神経な事やらかしてんじゃないかと思うけど」


悠斗さんの言葉に、あたしは何かがぷつりと切れたようになって。


つい、涙が溢れた。


「…あたし、不安なんです」


いつも、いつも思う事。不安で泣きたくなる事。




ゆーちゃんは…あたしじゃなくてもいいんじゃないかって…。彼の隣にいるのは、あたしじゃ駄目なんじゃないかって…。


「ゆーちゃんは…誰にでも優しいから…」


< 158 / 165 >

この作品をシェア

pagetop