人はそれを恋と呼ぶ
ゆーちゃんは悠斗さんを睨みながら近づいて来て、あたしの手を掴んで強く引っ張った。
「きゃ…!?」
あたしの体を後ろに隠すようにしたゆーちゃんは、彼に似合わない声で続けた。
「由紀に何した?なんでコイツが泣いてんだよ?つーか、馴れ馴れしく触んじゃねぇ!」
「待てって…俺何にもしてねーし」
「由紀に寄るな。喋るんじゃねぇ。会わせない様にしてたのに…それにお前今まで何やってたんだ?ねーちゃんを送るなら、もっと早く送れよ!大体な…」
「あー、わかったわかった。ストップ、優太!」
ゆーちゃんの声を遮って、悠斗さんは駅の方に向き直って片手を振った。