人はそれを恋と呼ぶ
母ちゃんはいつも仕事で忙しい。
ちなみに父ちゃんも更に忙しく、帰って来るのはいつも夜中だ。
母ちゃんには「ねーちゃんは七海さんちに泊まった」と嘘をついた。
七海さんってのはねーちゃんの親友だ。
つーか、俺嘘つくの下手だから、母ちゃんはめっちゃ疑ってたけどな。
あぁ、俺の大事なねーちゃんを…なんでよりによって俺の同級生に持ってかれなきゃなんねーの?
「くっそ…。ムカつく。アイツ」
ねーちゃんの初めての相手が悠斗だと思うと、更にイライラが増す。
「優太…お前さっきからうるさい」
不意に声が聞こえて、自分が一人ではなかった事を思い出す。