人はそれを恋と呼ぶ
俺は植田と会話らしい会話が出来ずにいた。
そんな俺達を、周りは本当に付き合ってるのか疑いだしているようで、俺は焦っていた。
教室で植田に話し掛けようとすると、いつも邪魔が入るし、それ以前に、視線すら合わないような気がした。
「…付き合ってる意味あんのか?俺達…」
「…あるとは言えないかも。だって植田、昨日も先輩に呼び出されてたぞ。多分、告られてるな」
隼人がこっそりと教えてくれた事実に軽くショックを受けた。
「あーもう、アイツの事全然わかんねぇ!」
窓の外を見ると、校庭にいたジャージ姿の女子の姿が目に留まる。
次が体育の授業なのであろう集団の中に見つけた、見慣れた後ろ姿。
「あ、ねーちゃんだ」