人はそれを恋と呼ぶ
「え?あー、亜矢ねーちゃん?あんな遠くにいるのによくわかるよな。さすがシスコン…」
「うるせぇ」
俺は普通だ。変態呼ばわりは心外だ。
「…昨日、眠れなかったみたいだ。またアイツの夢でも見たのかもな…。泣き声が聞こえて、俺も全然眠れなかった」
「そっか…。まだ泣いてるんだ。亜矢ねーちゃん…。なかなか忘れられないよな」
隼人は小さなため息をついた。
ねーちゃんが苦しんでる姿を見るのは正直ツライ。もう会えない人を想ってるに違いないのに、それを誰にも言わない。
だから今は、俺がねーちゃんを守る。絶対。
「おい、優太…?亜矢ねーちゃん、様子がおかしくないか…?」