人はそれを恋と呼ぶ
「優太、あんた腕どうしたの?血が出てるよ?」
七海さんに言われて、左のひじから出血してる事に気付いた。
白いシャツに染みて、派手に怪我してるように見えるけど、実際はあまり痛くはなかった。
「あ、さっき飛び降りた時引っ掛けたかもしんない」
「飛び降りた?どっから?」
「俺の教室から」
「…1年って…2階じゃないの?あんた2階から飛び降りたの?馬鹿!」
「七海さん…相変わらずっすね…」
七海さんはいつも俺を馬鹿にする。でもハキハキしてて活発な七海さんを俺は嫌いじゃなかった。
「でも…助かった。ありがと。ごめんね。亜矢が調子悪いの気付いてたのに」