人はそれを恋と呼ぶ
「…優太?」
ねーちゃんの声が聞こえて顔を見ると、目が覚めたみたいで俺を見ていた。
「私…貧血起こした…?ごめん…気をつけてたんだけど、今日体調悪くて…」
「知ってる。寝てねぇんだろ?」
「…ちょっと…嫌な夢見て、寝れなくて。なんでわかったの?」
俺はそれには答えずに、ねーちゃんの頭をポンと軽く叩いた。
「…大丈夫。俺がねーちゃんを守るよ。ちゃんと見てるよ。また、ねーちゃんを任せられる奴が現れるまで…」
ねーちゃんは、天井を見つめながら、しばらく黙っていて。
「ありがと…」
そう呟いて、少しだけ微笑んだ。