人はそれを恋と呼ぶ
周りの視線が集まってるのがわかった。
俺はそんなに恥ずかしいとかってねぇけど、植田の性格を考えたら多分、後でへこみそうな気がした。
だから、一番大事な事を先に言うべきだと思ったんだ。
「あの人って…さっき校庭で倒れた人の事言ってんだよな?」
「他に誰がいるのよ?隠さないでちゃんと教えて?あたし…木下に好きな人がいるなんて知らなかったから…やっぱり、迷惑だったんじゃないのかって…変な事、頼んじゃって…」
植田はまるで、今にも泣きそうな顔をするんだ。
「待てって!勘違いだって!」
「え?」
「あの人、俺の姉貴!」
遠くでニヤニヤしている隼人の顔が目に入って、俺は思わず植田の手を取って無理矢理引っ張ってそこから走り出した。
これ以上の見世物はごめんだ!