人はそれを恋と呼ぶ
「それは…あんな勢いで2階から飛び降りるし…お姉さんの事抱き上げたりするから、あたし…」
誤解させたんだ。ごめん、植田。
仮にも俺達、付き合ってるんだもんな。
「植田、座れよ」
俺達は草むらに並んで腰を降ろした。
「…ねーちゃん、失恋したばかりなんだ」
植田は、黙って聞いていた。
「…俺は、好きな人っていないし、そういう気持ちはわかんねぇけど…ねーちゃんが苦しんでる姿を見るのは辛い。
俺は、ねーちゃんを守ってやりたいって思う。特別なんだ。姉貴って…」
誰になんて言われたって、俺にとってねーちゃんは大事で、誰よりも優先なんだ。
「こんな風に思ってるのって変かもな。だから、シスコンって言われてんだ」
植田の顔を見ると、複雑そうな顔をしていた。