人はそれを恋と呼ぶ
・俺と君の…
「木下…それって、あの…もしかしてお姉さんの事…?」
「馬鹿。俺、変態じゃねーし。そんな感情じゃねぇよ?マジで」
そんなんじゃない。大事な、家族だ。
「今日は、ねーちゃんが貧血起こしてるから、家まで付いていたいんだ。
だから、今日はごめんな。送っていけないけど…」
「うん…わかった」
多分、植田と初めて喋った日以来、初めてと言っていい位のまともな会話に俺は嬉しさを隠せなかった。
いつももっと喋ってくれればいいのに。
もっと笑えばいいのに。
そうしないのはやっぱり俺の考えが正しいからだろうと思ったから、俺はずっと思っていた事を聞いてみた。
「植田は…好きな奴とかいねぇの?」