人はそれを恋と呼ぶ



初めて知った。


こんな気持ち。






「おい?優太…?」

「…何だよ」


隼人が俺の顔を覗きこんで心配そうな顔をした。


「またか?全く相変わらずだな。顔、真っ赤」


俺はため息をついて、立ち上がる。


「あー、のど痛ぇ…」

「多分、結構熱高いぞ?もう家帰れって。全く…すぐ熱出しやがって子供かよ」

「…うるせぇ」


その次の日。俺は熱を出して早退する羽目になった。


俺は昔から扁桃腺が腫れやすく、しょっちゅう高熱を出してしまう。


そんな時はいつも、ねーちゃんに看病させてしまうけど…昨日の今日。


ねーちゃんはまだ本調子じゃないんだし、心配かけたくねぇ。


ねーちゃんには黙って帰る事にした。


…植田には、今日も帰れないってメールしておいた。


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