人はそれを恋と呼ぶ


「…由紀の事なんか知らねぇ。アイツの考えてる事はわかんねぇし。
ていうか、アイツの事だけは多分一生わかんねぇ!」


思わず力説する俺を見て隼人は笑ってやがる。


「本当に、仲いいよな、お前ら。羨ましいよ」


喧嘩ばっかりしてるのに、周りは口を揃えてそう言うんだ。


どこをどう見たらそう感じるんだ?しかもうちのねーちゃんまで俺達を見るとそう言うんだ。


「喧嘩する程仲がいいって言うでしょ?」



…でも、ものには限度があるだろ?


なんでアイツはあんなに俺にだけ可愛くない態度をとるんだかわかんねぇ。


…時々、俺と別れたくてやってるんじゃないかと思う時もある位だ。


< 5 / 165 >

この作品をシェア

pagetop