人はそれを恋と呼ぶ
高瀬 賢太(タカセ ケンタ)。
ケンタは高校になってからの友達で、同じクラスになってからよく話す。
ケンタは一人きりの教室でちょっと寂しそうに、窓の外を見てる割には窓際ではないどちらかというと廊下側の机に座っていた。
その席は俺の机から近いから、そこが誰の机かすぐわかって思わず声をかける。
「お前、なんで川嶋の席に座ってんの?」
はっとして慌てたように席を立つ高瀬を見て、鈍い俺でもピンと来たんだ。
「…もしかしてお前、川嶋の事…好きとか?」
ケンタはしまったという感じで俺に視線を送り、観念したようにため息をついた。
「…優太にもばれる位、俺ってわかりやすい?」
ちょっと照れたように笑ったケンタ。