人はそれを恋と呼ぶ


「は!?マジで!?」


双子はスタスタとその家の裏側に歩き出した。


「来いよ」

「案内してやる」


その建物は、普通の家ではなかった。


「植田商店の娘だったのかよ…?」


『植田商店』は住宅街にあるただ一軒のスーパーで、俺も何度も来た事がある店だったからだ。


「植田って書いてあんだろーが」

「鈍いな、お前」


裏はスーパーに隣接された自宅があり、双子はチャイムも鳴らさずに玄関から家に入った。


「お、おい!お前ら!勝手に人んちに入ったら駄目だろ!」


俺の言葉に、双子はまたハモって言った。


「人んちじゃねぇ。俺達の家だし!」


って事は…?


「お前ら…植田の弟…?」

< 78 / 165 >

この作品をシェア

pagetop