人はそれを恋と呼ぶ
「は!?マジで!?」
双子はスタスタとその家の裏側に歩き出した。
「来いよ」
「案内してやる」
その建物は、普通の家ではなかった。
「植田商店の娘だったのかよ…?」
『植田商店』は住宅街にあるただ一軒のスーパーで、俺も何度も来た事がある店だったからだ。
「植田って書いてあんだろーが」
「鈍いな、お前」
裏はスーパーに隣接された自宅があり、双子はチャイムも鳴らさずに玄関から家に入った。
「お、おい!お前ら!勝手に人んちに入ったら駄目だろ!」
俺の言葉に、双子はまたハモって言った。
「人んちじゃねぇ。俺達の家だし!」
って事は…?
「お前ら…植田の弟…?」