人はそれを恋と呼ぶ
双子は階段を登りながら答える。
「好きな女の家族構成くらい知らねーのかよ?俺は植田 陸(リク)。中1」
「俺は植田 拓(タク)。ちなみに俺の方が弟」
そう言われてみると、双子はどことなく植田に似ているような気がしてきた。
そう。目鼻立ちも綺麗で茶色い大きな目とか、無愛想な表情とかも。
まだ幼い顔をしてるけどさすが植田の弟。
きっと近いうちに格好よくなるだろうと思った。
……背が伸びればな。
2階に上がる双子の後を戸惑いながらもついて行くと。
どこからか聞こえる声。
「だから、何でもないってば!」
「馬鹿言うな!そんな顔して何にもない訳ねぇだろ!?学校も休んだんだろ?話してみろって」
「うるさいな、もう、出てってよ!馬鹿!」