人はそれを恋と呼ぶ
貴兄ちゃんは、確かに体は大きくてがっちりした体型。双子と違って身長は高かった。
やっぱりルックスは植田兄。双子とは似ている部分もあり、相当モテそうなタイプだと思った。
「俺は由紀の兄で貴弘っていうんだ。由紀よりひとつ上の高2だ」
若干怒ってる気がするのはなぜだろう。
「由紀に何の用だ?」
「…話したい事があって。アイツ、携帯の電源切ってるから…」
「由紀を泣かす奴は許さない。最近由紀は泣いてばっかりだからな。お前がらみだと、由紀はいつもこうなる。知ってたか?」
「いいえ、でも…」
俺は植田兄の目を見てはっきり言った。
「俺、植田に惚れました。だからもう泣かせません」
陸と拓が面白そうに言った。
「やべー、貴兄立ち直れないぞ」
「後で絶対こっそり泣くぜ」
植田兄は面白くなさそうにため息をついた。
「くそ。なんでお前なんだろーな」