人はそれを恋と呼ぶ
拓はドアを開けて、俺を植田の部屋に素早く押し込んで閉めた。
「お、おい!お前ら…」
「きゃあっ拓!何してんの!」
拓と陸は嬉しそうにドア越しにハモる。
「ごゆっくりー」
今にも泣きそうな顔の植田と見つめ合う。
部屋着なのか、白とピンクのジャージで、化粧でもしようとしてたのか前髪をピンで留めていた。
「…馬鹿。泣くなよ?」
「だって…!どうして急に来るの!?
木下の前だけでは変な姿見せたくないのに…!」
いやいや。
ジャージでもすっぴんでも、めちゃくちゃ可愛いんですけど。
照れ隠しに笑って、その前髪のピンを取って前髪を手でクシャッと撫でた。
「ゆーちゃんって…俺の事?」