人はそれを恋と呼ぶ

植田はすっかり意気消沈したようで、俯いてしまった。


｢俺がゆーちゃんなら、植田だって由紀だからゆーちゃんだな。ややこしくね？｣


｢ゴメン…勝手に呼んでたの…｣


耳まで赤い彼女に、


どうやって俺の気持ちを伝えようか。



｢だから、俺はお前の事、由紀って呼ぶ事にしたから｣


｢…え？｣


意味がわからないのか、眉間にシワを寄せながら俺の顔を見上げる由紀。


｢由紀｣


俺、やっぱり頭良くないし、まどろっこしいのは嫌いだし。


どう考えたってこの言葉しか出てこない。





｢俺、由紀が好きだ…｣