人はそれを恋と呼ぶ
由紀は耳もとで囁いた。
「好き…大好き…ゆーちゃん…」
もう、きっと、俺の方がもっと好きになってるかもしれない。
「すげー…熱烈な告白だな…」
「…うん。でも1ヶ月前なら断ってたでしょう?」
「どうかな。でも…今なら俺の方から言うし」
何を?という感じで俺の顔を覗いてきた由紀。
「めちゃくちゃ好きになった。だから俺と付き合って」
由紀の肩を掴んで唇をよせようとすると、いきなりドアが開いた。
「待て!!俺の目の前でそーいう事は許さねぇぞ!!」
双子が顔を出す。
「貴兄…俺の目の前ってここ、由紀の部屋じゃねーの?」
「そうそう、知らねーよ?いい雰囲気のとこ邪魔しちゃって。ほら見てみろよ。由紀の顔…めっちゃ怒ってるんじゃねぇ?」