パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~
「ほんとに?マジで?オレ、みんなに連絡するよ?」


もう一度、念押しする。
それくらい、奈桜が家に招待してくれる事は驚きである。


「何だよ。そんなに信じられない?」


はにかみながら奈桜は笑う。
喜んでもらえて嬉しい気持ちの方が今は勝っている。


「そりゃあ……、』と、泉は言いかけていったん言葉を飲み、


『オッケー。みんなに連絡しとく』


明るく言った。



「頼む」


「なぁ、奈桜、なんか無理してないか?オレたちの間で無理は禁物だからな」


含みのある言い方だったが、奈桜にはそこまで理解出来ていなかった。


「いつ来る?オレはいつでもいいから」


「じゃあ、明日は?確か5人一緒のカレンダーの撮りが最後だと思う」


「早いな」


奈桜が笑う。


「今、いつでもいいって言ったろ?あれ、社交辞令?」


わざとふざけて食ってかかる。
こんなやり取りが奈桜には心地良い時間だった。
最近、嫌な言葉のやり取りしかしていなかったから、何となく気持ちも荒んでいたような気がする。
やっぱり、気の合う仲間との会話は心を癒してくれる。
二人はしばらくたわいのない話をして笑いあった。
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