パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~
「お前さぁ…、危機感があるのかないのか分かんねぇよ。ったく…、親バカ。……あちぃ!」


碧は奏が淹れてくれたお茶を勢い良く飲んでしまった。
おかげで怒りは口の中のヤケドへと移った。


「バレたって誰に?」


落ち着いた口調で泉が聞く。


「それが…、神川プロデューサーでさ。日読テレビの次のクールのドラマに主役で出ないなら、桜を子役でデビューさせるって。オレ、桜を子役にする気は全くない。実は…オレがZだって事も桜には言ってない。今のこの穏やかな日常を守る為にはオレがこの仕事を受けるしかない」


「次のクールって…。奈桜、決まってたよな?ドラマ。無理だろ?絶対。体が持たないよ。それにもうそろそろ撮影始まるんじゃないの?コンサートも始まるし、レギュラー番組もあるし無理だって。他に方法はないのか?」


泉の話に奏も頷く。
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