パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~
第2章 アオイ想い…
―プライベートは秘め事☆―
「何でよりによってこんなとこでロケすんだよ」
奈桜は公園の滑り台の上に座って呟いた。
木のみずみずしい緑と突き抜ける空の青、そしてちょっと錆びた赤い滑り台。
その滑り台に奈桜が座って空を仰ぎ見る。
都心でちょっと雰囲気のある公園…
「他にあるだろ?」
奈桜は近くの高層マンションの最上階らへんを何となく見る。
「今日は午前保育って言ってたよな…」
次のシングルのPV撮影のロケ地に選ばれたのは奈桜のマンションのすぐ近くだった。
「さっさと始めてくんないかなぁ」
なかなか来ないプロデューサーにスタッフもそろそろ焦り始めていた。