パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~
第3章 ムラサキ色の空
―明日と昨日―
「おっつかれ~」
「イェーイ♪」
泉と奏がにこやかにハイタッチをしながら控え室に入って来た。
「イェーイ♪」
ソファーに座っていた心も2人のノリに合わせてハイタッチする。
「みんな終わった?」
一足早くコンサートのパンフレットの撮影を終えた心が、奈桜と碧の姿を探すように聞く。
「あぁ、奈桜と碧ももうすぐじゃない?後はあの2人の絡みの撮りだけだから」
泉が手際よくコーヒーを奏の分と2人分、紙コップに注ぐ。
「おぉ。サンキュ。ねぇ、終わったら飯行かない?」
奏はコーヒーを受け取りながらみんなに提案する。
「いいねぇ。5人が揃うのも久しぶりだし。行こうよ」
泉が答えを促すように心を見る。
最近は個々の活動も忙しく、5人で集まってもすぐ次に個人の仕事が入っていて、ゆっくり話す暇もない状態が続いていた。