愛のため息
「さっきは取り乱しちゃってごめんね。色々ありすぎてパニくっちゃったみたい」



タカちゃんが女の人と2人きりでいたの目撃したり、その後にこうして会って手を繋いだり。



それだけでも刺激が強いのにタカちゃんが買った新車の助手席に一番乗りで乗れたことや、その車の中で突然キスされてぎゅっと抱きしめられたりしたから。



「嬉しいことだらけで、欲張りになっちゃったみたい」




きっと求めれば求めるだけタカちゃんは与えてくれるんだと思う。




でも



「感情に任せて行動しちゃいけないと思った」




与えられるタカちゃんの優しさに甘えすぎちゃいけない。




「今タカちゃんに抱かれたら、今以上にタカちゃんに依存しちゃうの想像つくもん」




タカちゃんの事しか考えられなくなって、自分の力で歩むことをやめてしまうに違いない。




「それじゃダメだと思う」




抱かれないと不安になって、タカちゃんの側から離れるのも嫌なくらいタカちゃんで一杯になってしまいそう。






「そんなんじゃいつかタカちゃんの負担になっちゃうよ」





もっと気持ちに余裕がないと、ダメになってしまう。




今のように自分の事ばかりじゃなくて、タカちゃんの事も考えられるようにならないと
いけないんだ。



だから




「今はまだ、タカちゃんに抱かれることは出来ない」






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