愛のため息
しばらくそうして寄り添って、涙も落ち着いてから、思い出したようにコーヒーを飲む。




少しだけ冷めたコーヒー。でも冷めてもおいしく感じた。




「このコーヒー、冷めてもおいしいね」




『でもこれインスタントだよ。お店で飲んだほうがおいしいよ』




「え?これインスタントなの?おかしいな、おいしく感じたのに」




ファーストフード店とかで飲むコーヒーよりも断然こっちのほうがおいしく感じるんだけどな。



「タカちゃん、なにか特別な入れ方とかした?」




『そんなのしてないよ』




笑うタカちゃんを見て、気付いた。




そっか。タカちゃんと2人で飲むからおいしいって感じるんだ。




「ふふ、そっか」



一人納得して笑うミイを見てタカちゃんは不思議そうだった。



< 14 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop