愛のため息
カウンターのテーブルに置かれたメニュー表を渡すとそれを見て眉を潜めた。




『コーヒーってこんなに種類あるの?う〜迷っちゃうよぉ』



「オススメはマスターの挽いたオリジナルブレンドコーヒーだよ」




ブツブツとコーヒー豆の名を順に口に出すミイに助け船を出すと




『じゃあそれにする!』




ブレンド二つを注文すると、マスターは慣れた手つきで用意を始め、ミイはそれを楽しそうに眺めていた。




セットされたサイホンがコポコポという音を立ててコーヒーを落ちていく。





『よくここに来てるの?』





その様子を見ながら、隣の俺も見るミイに、ゆっくりと頷いた。




「一度来てからここのブレンドにはまっちゃってさ」




『そうなんだ。飲むのが楽しみ!ここは、タカちゃんが自分で見つけたの?』




「いや会社の同僚に教えてもらったんだよ。"職場の近くにコーヒーの旨い店がある”って」




『・・・タカちゃんの職場ってここから近いんだ。知らなかった』




そう言ったミイの顔は何故か少し困った顔をしていて。




「う、ん。だいたい5分くらいかな?」




その様子に戸惑いを感じた。




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