愛のため息
しばらく沈黙が続いて。




意を決したようにミイが顔を上げ口を開く。




『タカちゃ・・・』




『あれ？大島じゃん！』




ミイが何か言いかけたとき、それを野太い声が遮った。




ミイも俺も驚いて声のするほうを振り向く。




そこには、毎日うんざりするほど、見飽きた顔ぶれが２つ並んでた。




『村田に稲垣さんも･･･』




同じ会社の村田と、稲垣さんは美女と野獣カップルだと、職場でも知らない人はいないほど有名な名物カップルだ。




その２人と休みの日にまさかここで鉢合わせるとは思いもしなかった。





『休みの日に大島くんとここで会うとは思いもしなかったわ』




「俺も今、まさしく同じこと思ってたよ」





言いながら、固まるミイが視界に入り、ミイの名を呼んだ。





「ミイ、この人たちは俺と同じ会社の人で、こっちの村田ってヤツがさっき言ったけど、ここを教えてくれた人なんだ」





俺の説明に頷いたミイは、カウンターの椅子から立ち上がり、村田と稲垣さんに対してお辞儀をして『こんにちは』と挨拶をした。











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