愛のため息

守りたいもの

誤解が解けて、村田さんて人は、イヤな思いさせたお詫びにってミイたちにコーヒーを１杯ご馳走してくれた。




カウンター席からテーブル席へ移動して４人で座ってお話しした。




話したって言っても主に話をしてたのは村田さんなんだけど。




『大島が援交なんて、少し考えりゃ有り得ないってわかるのに…すまん』




申し訳なさそうに言う姿を見たらやっぱり怒る気なんて全然おこらなかった。




タカちゃんを心配して、出た言葉なんだもんね。




……まぁ、それが空回りしてタカちゃんを怒らせてしまったけど。




悪い人ではないってわかるよ。




村田さんはいつも思ってることを考えなしに、なんでもかんでも口に出していつも失敗しちゃうんだって。


これは稲垣さんが教えてくれた。




『もう少し考えてから喋りなさいよね』って、呆れた口調で言ってたけど、その目はとても優しかった。




肩をすぼめておどける村田さんも、稲垣さんに向ける目はとても優しくミイたちに向けるものとは別もので。




言われなくても２人の関係が恋人だってわかった。






< 39 / 130 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop