愛のため息
『そう。じゃあ武広…あ、武広って村田のことね。
…武広が言った言葉で本当は傷付いたわよね』




「それは、」




全然平気と言ったら嘘。




さっきだって稲垣さんの言う通りほんの少しだけ凹んだ。




『私の連れが失礼な言葉をさっきはミイちゃんたちに言ってしまって本当にごめんなさい』




無言を肯定としたのか稲垣さんはすまなさそうな顔をして、頭を深く下げてきた。




「謝らないでください。ミ…私なら大丈夫ですから!」




危ない。あやうくミイって言うとこだった。




家でも学校でも、タカちゃんの前でも。いつも自分のことミイって言うから、今もつい言いそうになっちゃった。




早いとここのクセ治さなきゃ、いつか人前で恥かいちゃうよね。




って今はそんなことより、稲垣さんをなんとかしなきゃいけなかった!




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