愛のため息
席を見ると、タカちゃんとミイを交互に見ている。首を傾げる仕草が、何となくタカちゃんが今、傾げてるのを真似てるような感じがした。




「あ、はい。家が近くて」




『わあ!じゃあ幼馴染みなんだ!私、大島さんと同じ会社で働いてる田村って言うの。ミイちゃんだっけ?』





突然、フレンドリーに話しかけられた。





『私も年上の幼馴染みがいるの。高校生ぐらいの年齢のときって年上ってだけで憧れちゃうよね』





タカちゃんとミイって幼馴染みの部類に入るのかな?よくわかんないけど。





いや、それよりも。今の言葉からして、ミイがタカちゃんに憧れてるって言いたいのかな?




幼馴染みとか、憧れとか。そういう枠に当てはめて、恋愛とは違うのよって遠まわしに言割れてる気がしてならない。




そう思うのは、ミイの被害妄想かな?




なんにせよ、この田村さんて人の真意が見えない以上、このまま話し続けるのは、キケンな気がする。




下手なことを言ってしまわないうちに退散しよう。



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